木曽桧彫刻神棚の祈り雲を購入された方から、
「祈り雲にお寺の御札は設置できるのでしょうか?」
というお問い合わせを受けたことがあります。
写真にも伊勢神宮の御札を用いているように、
「御札といえば神社」という固定観念があったので、
神棚として祈り雲を販売していますが、
広く「お札立て」という解釈でお使いください。
今回は神棚でのお寺の御札の設置
について調べてみましたので、
どうぞ参考にしてください。
一般的な神棚でもお寺のお札は設置する
従来の神棚であっても、
お寺の御札は神社の御札と一緒にお祀りします。
ただ少し条件があるようです。
神棚が三社造りの場合は、扉が三つありますが、
中央扉・・神宮大麻(伊勢神宮の御札)
向かって右側の扉・・氏神様、
左側の扉・・崇敬神社
を祀ります。
そしてお寺の御札をお祀りしたい場合は、
三つの宮形の外に設置するのが一般的だそうです。
上の写真の神棚でいうと、
右の榊の奥に見えるのがお寺の御札ですね。
参考リンク:神社の御神札とお寺の御札を一緒に祀っていいのか
別のサイトでは、左側の扉に崇敬神社の場所にお寺の御札を設置できると書かれていたり、明確に決まってはいないように見えます。
一番シンプルで分かりやすいのは神社本庁の公式サイトでした。
参考リンク:神社本庁HP「お神札のまつり方」
モダン神棚が広まる以前は
現代では、従来の神棚を簡素化したモダン神棚を多く見かけるようになりました。
モダン神棚が広く普及する以前は、
従来の神棚を設置できない場合、御札をキッチンの食器棚の上に立てかけるとか、
柱や壁に貼るかしか設置方法がありませんでした。
住宅事情の変化に伴い、インテリア的に従来の神棚を設置できないお家が増えたことによって、
上記のように無造作に設置される神社の御札が多くなっていきました。
日本人であれば、信仰心に関係なく、
神社の御札を無造作にただ立てかけたり、
柱に貼り付けておくことに少し抵抗がありますよね。
そこで、広く普及したのがモダン神棚と言われる神棚で、その一つのジャンルとして雲形の神棚も多種多様なものが販売されています。
ちなみに、神社本庁の説明によれば、
榊立てや神鏡などを省いた「お札立て」であっても、神棚とされています。
参考リンク:神社本庁「お神札のまつり方」
モダン神棚のコンセプト
雲形神棚を含む、「モダン神棚」と言われる神棚のデザインを見て頂くとわかるように、
従来の形式を厳格に守る事を目的にはしていないことがわかるかと思います。
塩から榊、お酒まで供えるようにできたものから、ただお札を設置するだけのものまでいろいろです。
堅苦しいものが取れる事で、祈りというものが、より身近になる。
それは、モダン神棚に共通するコンセプトではないかと思っています。
そのように柔軟な発想を大切にする分野ですので、
どうぞ、お寺の御札も設置してください。
元々は一緒だったお寺と神社
余談ですが、8世紀の奈良時代から明治時代前までは神社とお寺は一緒になっていたそうです(神仏混淆または神仏習合と言う)。
私たちにしてみれば、お寺と神社は別という認識が当たり前になっていますが、それは明治以降の話であって、長い日本の歴史から見れば短い期間です。
明治以降、神社とお寺が分かれた理由は政治的な目的なので、説明は割愛させて頂きますが、興味のある方はググってみてください。
元々は、神社神道は他宗排斥では無く、来るもの拒まずの姿勢ですから、
お祀りする様式が混ざっていても、許されるのではと思っています。
(と言っても、仏像は置かないでください。)
今回は、お寺の御札を木曽桧彫刻神棚の祈り雲に設置しても良いのか、について書いてみました。