職人仕事が人気を取り戻してきているらしい

雲形モダン神棚以外の職人の世界も深い

先日、喫茶店で新聞を読んでいたら、
小学6年生のなりたい職業6位くらいに「大工・職人」と書いてありました。

以前から、十代、二十代で伝統工芸の職人を目指す人が増えている事は知っていましたが、
子供たちにとっても人気上昇中なのかも知れません。

実際の職人として「それは当然だよなぁ」と思います。
職人と言っても色々ですが、
小規模での作り手にとって、良い環境はどんどん整ってきているからです。

ITの進歩によるものが大きいのですが、
作り手とその作品の価値に響く人がつながりやすいので、
代理店通さずに全国の人に直接の販売ができます。
それは、作り手とお客さん双方が、適正な価格で販売、購入ができる、
理想的というか、本来の形です。

本業、副業含めて、
作り手はどんどん増えていっている事は、
いろんな事を見聞きしていると分かります。

一人でものづくりなんてやってると、
まだ世間的には、奇妙な人に見えてしまいますから、
あんまり人に言わない人も多いようですが、
データとして表に出てくるころには結構な数になっていると思います。

また、やりやすくなった事以外に、
子供たちにとって、職人的な仕事が魅力的に見える要素は色々あると思います。
例えば、自分の責任でできることです。
今は、業種を問わず高度に仕事が効率化され、
マニュアルさえあればできる仕事が多くなりました。
そういった仕事の特徴は、
「いくらでも代わりが効く」という事です。
自分でなくても仕事は回る、
そんな環境の中で、自分は社会に必要とされているのかわからなくなる人も多いと聞きます。
自己肯定感と言うんでしょうか、そういうのを保つのも一苦労の現代社会ですが、
そういった悩みは職人にはありません。
自分が作ったものが売れたとき、またそれによって感謝されたとき、
それらは全て自分がやった仕事に対するお客さんの反応です。
責任も全て自分にかかってきますが、
それにも増して充実感があります。
職人仕事のそういった面が子供や若い世代を惹きつけるのではないかと思います。

人間ひとりの手で何かを作り出せる事の重要性は、
これまでの日本では軽視されてきました。
しかし今問われているのは、
どんな形であれ、
一人一人に何ができるかという事だと思います。
大企業は海外の企業にシェアを奪われ、衰退していっています。
トヨタが先日発表したように、
「終身雇用難しい」トヨタ社長発言
あのトヨタですら終身雇用が限界にきていて(単に定年まで雇いたくないだけかもしれないけど)、45歳定年説は普通になりつつあるようです。
組織の中で生きる事を前提とした人生設計は、昔よりリスクを孕んでいるのは確かだと思います。

まだしばらくは、雇用される方が安心ですが、
前述のような変化は不可避のように見えますし、
その変化が自分の生きているうちに来てしまうのであれば、
早いうちにその流れに乗ってしまった方がいいのかも知れません。
なので、ものづくりに限らず様々な分野で、
「とにかく動き出す」人が増えてきていると感じます。

ITとか時代に乗った分野のほうが上手くいく可能性高そうですが、
昨今のこけしブームなんて目にすると、
結局のところ、何が当たるかは終わってみないとわからないし、
そんなこと考えるのは時間の無駄。
というわけで、woodworksの場合、超スーパー衰退産業と思われる木彫刻の分野で
祈り雲やその他、いろんな事をやっています。

すでに芽吹いているもの、また、祈り雲のように芽吹きかけているもの、様々です。
とにかく大切なのは、woodworksにしかできない事を世の中に提供していく事だと思っています。
今後も、ゆっくりとではありますが、
じっくり取り組んでいきたいと思っています。


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